Home » FDPS

March, 2015年

FDPS Version 1.0 Available now

category : FDPS 2015年3月17日 

皆様 理化学研究所計算科学研究機構 粒子系シミュレータ研究チーム(チームリーダー:牧野淳一郎)では、粒子系シミュレーションのための汎用プラットフォーム “FDPS” (Framework for Developing Particle Simulator) の開発を進めてきました。 本日をもちまして、 Version 1.0 を公開いたします。公開バージョンは https://github.com/FDPS/FDPS/にあります。ダウンロード、インストールの方法は、 チュートリアルを参照して下さい。 以下、FDPS とはどのようなもので、何ができるか、の概要です。 FDPS は、重力多体、SPH、分子動力学法といった粒子法シミュレーションのための高効率に並列化されたソフトウェアを、特に並列プログラミングの知識がない研究者が開発できるようにすることを目的に開発されました。粒子法シミュレーションの、最近の分散メモリ型並列計算機での高効率の実行のためには、計算領域のアダプティブな分割、分解の変更に応じた粒子の計算ノード間の移動、粒子間相互作用の計算のために必要な情報のノード間でのやりとりが必須ですが、これらは経験をつんだプログラマでも容易に開発できるものではなく、世界の天体物理のコミュニティにおいても大規模並列でまともに動くプログラムは片手の指の数ほどしかありません。このことは、問題に応じて機敏にプログラムを変更していくことを困難にし、分野の発展を阻害してきました。 FDPS は、この問題を解決するために、上に述べた複雑な並列化の部分をシミュレーションプログラムから分離し、汎用フレームワークとして提供します。このため、研究者は、粒子の定義、粒子間相互作用の定義、入出力や時間積分の記述という、通常の並列化されない部分だけを記述し、並列化のための処理はFDPSに任せることができます。例えば、重力多体のプログラムは 200行程度で記述可能です。 現在のところ、サンプルプログラムとして、 * 開放境界での重力多体計算プログラム * 周期境界での SPH 法プログラム を提供しています。どちらも、「京」コンピュータで 4096 ノードまで、問題なく動作することを確認しています。サンプルは今後より充実させていきます。「京」以外の、x86 プロセッサの環境でももちろん問題なく動作します。 以下のような方は、是非 FDPS の利用を検討してみて下さい。 自作のMPI 並列ではない粒子法シミュレーションプログラムを現在研究に使っ ているが、計算速度の限界を感じる。天文台の XC30のような並列スパコンを 使いたいが、自分で並列化は敷居が高い なお、Version 1.0 では GPU の利用は未サポートです。これは来年度リリース予定の Version 2.0 でのサポートとなります。 質問、コメント等は、 fdps-support -at- mail.jmlab.jp 宛にお願いします。 2015/03/17…続きを読む

JMLAB

Copyright(c) 2015 JMLAB All Rights Reserved.